サステナビリティ

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当社は、「挑戦への投資で、成長への循環をつくりだす」というパーパスおよび「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」をミッションとしています。世の中に必要とされる新しい技術・サービスを発掘し、それを起業家とともに事業化し、よりよい社会を実現することが、私たちの使命です。

この考えはサステナブル投資のコンセプトにも合致します。スタートアップの多くは、社会的な課題を解決したい、社会の役に立ちたいといった動機をもとに起業しています。当社は投資活動を通じてこれらのスタートアップの成長をサポートすることで、将来的に大きな社会的インパクトを生み出す企業を輩出することに貢献しています。

サステナビリティに関する基本方針

当社は、サステナビリティに関する当社の考え方や、ESGに関する課題及び対応方針についてステークホルダーと共有し、ともに持続可能な環境・社会の実現を目指すため、サステナビリティに関する基本方針を策定しました。


サステナブルな投資活動

スタートアップの多くは、社会的な課題を解決したい、社会の役に立ちたいといった動機をもとに起業しています。当社はこれらの企業に深く関与し、経営者と伴走することで、将来的に大きな社会的インパクトを生み出す企業を輩出することに貢献しています。投資活動にはESGの考え方が組み込まれ、また投資先に対してはエンゲージメントの枠を超えた深い議論と具体的な支援を行っています。

サステイナブルな投資活動 サステイナブルな投資活動

投資実行フェーズにおける取り組み

事業のポテンシャルや社会のニーズを評価

  • 投資候補先であるスタートアップの多くは、優れた事業アイデアや魅力的な経営者といった本質的な価値を持つ一方で、リソースが足りない、体制整備が間に合わないといった課題も抱えています。当社では投資後に経営者とこうした課題の解決に取り組むことを前提に、事業のポテンシャルや社会のニーズといった、ポジティブな側面に着目して大胆な投資を行っています。

ネガティブ・スクリーニングとESG・SDGsの側面を考慮した投資検討

  • 投資案件を発掘、検討する過程(デューデリジェンス)では、当該企業のコンプライアンス順守状況や顧客や従業員との関係性、会社の管理体制といった点についても確認しています。また投資候補先の事業が、SDGsの17のゴールにどのように紐づくのかという観点からも分析を行っています。
  • デューデリジェンスの過程で、ESG、SDGs、社会通念等の観点に照らした結果ネガティブな要素が含まれる場合には、投資の規律に基づき当該案件を見送っています。

投資後の成長支援フェーズにおける取り組み

ガバナンス体制構築のサポート

  • シード・アーリーステージのスタートアップが投資先企業の大半を占めるようになり、ガバナンスの重要性は益々高まっています。投資先企業を社会的な存在として高めていくには、事業の成長に応じた組織・管理体制の構築が必要です。
  • 当社ではスタートアップに対して、少ない人的リソースでも営業管理や適切な資金管理ができるよう、各種クラウドサービスの導入サポートや、内部体制整備のアドバイスを行っています。

人材採用や組織構築のサポート

  • スタートアップの事業拡大には、優秀なCxOに支えられた経営チームの組成が必要です。当社は2018年に無料職業紹介事業の許可を受け、投資先の人材採用を積極的にサポートしています。また事業拡大局面では組織図や社内規定を整備し、決裁権限を定めるなどの組織体制の整備もサポートしています。

大企業とのパートナーシップ推進

  • 当社は従来から出資者をはじめとする大企業のネットワークを投資先の成長に繋げてきました。近年は政府によるオープンイノベーションの促進もあり、大企業とスタートアップの連携はますます活発になっています。
  • 当社では、セミナーの開催や、新規事業開拓プログラムへの参加を通じて、大企業にベンチャーキャピタルのノウハウを積極的に還元しています。ベンチャーキャピタルの評価手法、投資条件、資本政策等のノウハウを提供することで、ベンチャーキャピタル、大企業とスタートアップが相互に補完し合うエコシステムの形成に貢献していきます。

サステナビリティスチェックの実施

  • 当社では、投資先企業のESGリスクを見極め、適切な取り組みを推進する活動(サステナビリティチェック)を定期的に実施しています。

IPOやM&Aを通じた成長の加速と社会的インパクト

  • 投資先企業が創業時の理念を実現し、社会にインパクトを与える存在になるためには、当社が株主から抜けた後も会社がスムーズに成長を続けられるような基盤を整えることが必要です。当社は投資先がIPOやM&Aによって次のステージに進むにあたり、どのような形が会社にとって望ましいかを常に経営者と議論しています。またIPOにあたっては、上場後の株価形成を妨げない売却や、安定株主として会社を支えることが期待できる優良な機関投資家への譲渡を適宜行っています。
  • 当社は今日まで4000社を超える未上場企業に投資し、その成長をサポートしてきました。その中には事業内容そのものがSDGsのゴールに合致した会社や、IPOを経て日本を代表する企業となり、社会的な責任を果たすべく現在SDGsに積極的に取り組んでいる企業も多く含まれています。当社は今後も投資活動を通じて、SDGsのゴール達成に貢献していきます。

人材戦略

当社の事業においては人材こそが競争力の源泉です。スタートアップを取り巻く環境が目まぐるしく変化するなかで、多様で優秀な人材の獲得と育成を重要な経営課題と位置づけています。

個人の能力の開発と人材の多様化

  • 事業のポテンシャルの見極め、投資先が直面する様々な課題への対応など、成果を発揮するためにやるべきこと、そのための効率的な時間の使い方は、一人ひとり異なります。このため2017年3月に完全フレックスタイム制を導入し、それぞれの業務や体調に合わせて勤務時間帯を、自分で選べるようにしました。また、ITシステムのクラウド・モバイル化により、どこにいても会社と同じように仕事ができるリモートワーク環境を整えて、推進しています。
  • 仕事の効率を高め、無駄な拘束時間を減らすことで、社員が家庭の事情や自身の健康に配慮できるようにすると共に、自由な時間を使って自己研鑽や社外活動などに取り組みやすい環境を整えました。また自由な発想を促す観点から、2週間連続休暇の取得も推進しています。
  • 多様な働き方を支援するとともに、より専門性を高めるという観点からも、社員の副業を積極的に推奨しています。
  • 従来の人材育成は、新卒採用および OJTによるキャリア形成に力を入れてきました。近年は、投資先のスタートアップ企業から求められる役割が多様化し、より高い専門性が必要とされるようになっています。そのため、異業種からの中途採用を積極化するとともに、外部プロフェッショナルの活用も進めています。新卒採用については、適性を慎重に見極めるため、⻑期のインターシップの導入なども採り入れています。

健康経営

  • 当社は、2024年3月に経済産業省および日本健康会議が主催する「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」に認定されました。
  • 社員が持てる能力を最大限発揮し、パーパス/ミッションを実現していくためには、何よりも一人ひとりが、心身ともに健康であることが基盤となります。今後も当社は、社員の心身の健康維持、増進を支援する健康経営に継続的に取り組んでまいります。
  • 健康経営 健康経営

    ※これまでの取り組みとして、2022年7月に健保連に対し「健康企業宣言」を行い、健康経営への取組みを積極的に行っている企業として、2023年4月に健康優良企業「銀の認定」を取得しています。


ガバナンス

いかなる環境においても投資を継続するためは、株主、ファンド出資者、投資先企業、社員を含め、当社を取り巻く様々なステークホルダーの期待に応えていく責務があります。投資先の成長が、ファンドパフォーマンスの向上をもたらし、株主利益に繋がる正の循環を実現するには、バランスのとれたガバナンスが重要です。当社はIPOを志す投資先企業にとっての優れたガバナンスのモデルでもありたいと考えています。

取締役会の構成・運営、業務執行体制

  • 当社は監査等委員会設置会社であり、また、原則として取締役の過半数を独立社外取締役とする方針です。現在は取締役6名のうち4名が監査等委員であり、その全員が独立社外取締役です。独立社外取締役は独立した客観的な立場から取締役等の業務執行に対する監督を行っています。
  • 取締役の選解任や報酬は、全監査等委員および取締役社長で構成される「指名・報酬委員会」において審議した上で、取締役会で決定しています。
  • 業務執行体制の強化・迅速化を図るため、執行役員制度を設けています。
  • 役員には、ふさわしいならばジェンダーや国籍等にかかわらず多様性ある人材を積極的に選定します。現在、取締役6名のうち2名が、また執行役員4名のうち1名が女性です。
コーポレート・ガバナンスの基本方針、体制の概要等については下記よりご参照ください

ファンド運用における利益相反等の管理

  • 当社は、次の三つの運用姿勢をもとに、ファンド運用における規律と透明性を確保します。
    • 特定分野に特化したファンドはつくりません
    • 特定出資者のためのファンドはつくりません
    • ファンド運用以外の事業はやりません
  • 当社は、自己資金による直接投資は原則として行いません。当社が運用するファンドにGPとして自己資金を出資し、ファンドの運用財産の一部として間接的に投資を行っています。
  • 当社が運用するファンドと当社間の取引、当社が運用するファンド間の取引は原則として行いません。

環境

当社では、環境を重要な社会課題と認識し、自社の環境負荷低減を推進します。
効率的なオフィス運用、積極的なリモートワークの推進などを通じて、エネルギー使用量の削減及び温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。社内会議での紙資料の配付・保管を原則廃止し、ペーパーレス化を徹底するとともにクラウド化を進め、2018年2月の本社オフィス移転を機に、フリーアドレス制を導入しました。

また、当社は2023年5月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による提言(以下、 TCFD提言)へ賛同しました。

TCFD提言をふまえた情報開示

当社はTCFD提言に賛同するとともに、TCFDの情報開示フレームワークに沿い、地球の平均気温が産業革命以前に比べて4℃、1.5℃上昇することを想定した2つのシナリオを用いて気候変動に係るリスクと機会の特定を行っています。

①ガバナンス

全社的に取り組みを行い、管理部がその推進状況を管理し、年に一回以上、取締役会において取り組みを報告します。取締役会は、具体的な活動方針や推進施策等に対し、進捗状況の検証や審議を実施することで取り組みの監督を行います。

②戦略

当社はTCFDの情報開示フレームワークに沿い、地球の平均気温が産業革命以前に比べて4℃、1.5℃上昇することを想定した2つのシナリオを用いて気候変動に係るリスクと機会の特定を行いました。その結果、当社の事業において影響度が大きなものを中心に以下にまとめています。今後、脱炭素社会の実現に向けた対策の検討を行っていきます。

リスク

この表は左右にスクロールできます。
区分 種類 想定されるリスク 時間軸* 影響度**
移行
リスク
政策・
法規制
炭素税をはじめとするカーボンプライシング導入、省エネ・GHG排出規制強化による対応コストの増加 中~長期
関連法規制の増加、情報開示義務拡大に伴う事業運営コストの増加、および怠った場合の罰則等の負担 短期
市場 ESG投資および環境関連ビジネス市場の競争激化による、ファンド募集・投資運用における競争激化、コストの増加、および投資倍率の低下 ※1 短~長期
評判 当社および投資先の気候変動対応が不十分なことによるステークホルダーからの評判低下リスク 短~中期
技術 投資先企業が有する技術の陳腐化や技術開発の失敗、競争激化によるコスト増による投資先企業の価値が低下する可能性 中~長期
物理
リスク
急性 風水害の激甚化等の災害をトリガーとした金融市場の破綻や当該市場における市場暴落や大型倒産 中期
慢性 気温上昇による事業所およびデータセンター等の運営コストの増加 中期

機会

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区分 種類 想定されるリスク 時間軸* 影響度**
機会 市場 脱炭素に貢献する事業を展開する企業への投資機会・EXIT機会の増加、評価額の増加による収益機会の拡大 ※2 短~中期
サービス 積極的な気候変動対応によるレピュテーション向上、これに伴う投資機会・ファンド出資獲得の機会増加 短~中期

* 各リスク・機会の候補が発生し始める時間軸(影響期間)の分類は以下の考え方に基づく。

  • 長期・・・今後10〜30年の間に影響が発生
  • 中期・・・今後4〜9年の間に影響が発生
  • 短期・・・今後0〜3年の間に影響が発生

** リスク・機会の候補から、当社事業における重要度の分類は以下の考え方に基づく。

  • 大・・・リスク・機会が与える影響が大きい
  • 小・・・リスク・機会が与える影響が小さい

※1 現時点では具体的に以下のようなリスクを想定しています。

  • 投資候補先発掘から投資判断・実行にかけてのフェーズでの調査コスト増加
  • ESG特化型ファンド参入による投資競争激化
  • ESG関連サービスを提供している会社のバリュエーション上昇による取得コストの増加
  • 投資先の企業価値向上フェーズにおけるESG支援コストの増加
  • ESGチェック基準の厳格化等によるEXITまでの期間の長期化等のリスク

※2 現時点では具体的に以下のような機会を想定しています。

  • 再生可能エネルギー分野をはじめとする、環境関連ビジネスを行う企業への投資機会の増加
  • 脱炭素など環境関連ビジネスを提供する企業へのM&A需要増加に伴うEXIT機会の増加および評価額の増大等の機会

③リスク管理

当社は、サステナビリティに関する取り組みを行っておりますが、こうした取り組みの効果が十分に発揮されず、当社におけるESG投資や、サステナビリティ実現への取り組み、ひいては当社のESG関連リスクへの対応が脆弱であると認識された場合、当社のステークホルダーからの支持が得られずに、ファンド募集や投資活動、人的資本の確保に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社はまた、TCFD提言への賛同を表明し、今後、重要なグローバル課題の一つである気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、TCFD提言に沿ったリスクの評価・管理や適切な情報開示を進めています。しかし、こうした開示が十分でないとみなされた場合は、当社グループの企業価値の毀損につながるおそれがあり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④指標・目標

当社では、2018年3月期より温室効果ガス(GHG)排出量におけるScope1、Scope2の算定を行っております。
GHG排出量削減目標(Scope1、2)の設定、およびサプライチェーンにおけるGHG排出量(Scope3)の算定については、今後対応の検討を進めて参ります。

 GHG排出量の推移 (単位:t-CO2)

この表は左右にスクロールできます。
2018/3 2019/3 2020/3 2021/3 2022/3 2023/3 2024/3
Scope1 9.1 9.3 6.1 3.0 4.2 11.2 12.2
Scope2 140.7 88.6 85.4 72.7 77.3 79.3 27.2
合計 149.8 97.9 91.5 75.6 81.5 90.5 39.4

※ 算定範囲:
当社の国内各拠点(ただし、2021年9月に西日本支社と統合した旧中部支社及び旧九州支社は含まず。)におけるGHGプロトコルで定義されるScope1(化石燃料等の使用に伴う直接排出)、Scope2(購入した電気・熱の使用に伴う間接排出)の各排出量を記載。なお、2024年3月期のScope2の算定に用いた電気/ガス事業者別排出係数は2024年5月末時点で得られる直近の数値を用いた。