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IPOに向けて予実管理をスムーズに シード・アーリー期のスタートアップ向けSalesforce導入支援プログラムを開始
IPOに向けて予実管理をスムーズに シード・アーリー期のスタートアップ向けSalesforce導入支援プログラムを開始

2020年12月10日より、ジャフコはシード・アーリー期のスタートアップ向けにSalesforce導入支援プログラムの提供を開始しました。
導入時における初期設定や社内での円滑なオペレーションを進めるために、Salesforceの導入・活用支援サービスを専門としたマーケティングエージェンシー・toBeマーケティング株式会社と連携。実装は、ジャフコの基幹システム開発を担当するアイテックス株式会社が担当します。

今回の業務提携に至った背景や課題意識、今後実現したいことについて、ジャフコ グループ株式会社の坂 祐太郎、toBeマーケティング株式会社の渡邉辰一、アイテックス株式会社の仁井健友に話を聞きました。

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ジャフコ グループ株式会社 坂 祐太郎(左)、toBeマーケティング株式会社 渡邉辰一(真ん中)、アイテックス株式会社 仁井健友(右)


IPO
に向けた予実管理をスムーズに。Salesforce導入・活用へのサポートを開始

―今回の取り組みを始めた背景を教えてください。

 投資先に出向していたときにKPI管理の大変さを痛感し、オペレーションの型化ができないかと思ったのがきっかけです。

IPOを目指す際、もっとも重要なのは予実管理です。自社の実績が経営目標に近づいているのかを確認するために予算と実績を管理し、もし予算と実績の数値にギャップがあればどこに問題があるのかを突き止めなくてはいけない。商談数が少ないのか、受注率が低いのか、商品価格の設定が適性ではないのか。精緻に数字を見直すには営業ステータスの可視化が必要です。そのため、企業が一定規模の売上を出すようになると、営業管理システムによる数字分析が重要になります。

実際に出向していた投資先では、エクセル管理していた数字を定義し直してシステムに移行していくという非常に煩雑な業務に、関係部署と多くの時間とパワーが割かれました。今までキャピタリストの立場で、投資先企業から上がってきた数字を見ていたのですが、出向して現場の実務を経験したことで、数字を出す側の大変さを知ったんです。「最初から型があれば、こんな苦労はしなくていいのに」という実体験が、今回のプログラム提供に繋がりました。

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仁井 Salesforceは企業ごとにカスタマイズ性が高く、使いこなせれば非常に有効なツールです。しかし、初期設定や数字の定義をしっかりと進めなければ、経営陣が知りたい数字と、現場担当者が設定した数字がちぐはぐで、予実分析がうまく機能しないという事態に陥りかねません。

Salesforce活用に向けては、初期設定にかかる約20時間で、データの表記統一を進め、現場の営業担当がどこに何の数字を入力して確認すればいいのか、クリアになるまでが肝心です。シード・アーリー期の企業にはSalesforce導入の経験者はほとんどいないため、サポートがあることは非常に心強いと思います。


渡邉 toBeマーケティングでは、これまで348社以上の企業にSalesforce導入コンサルティングを行ってきましたが、どの企業も同じ課題を抱えています。今回、導入ベンダーである我々が型を作るのではなく、ジャフコがリードして進めることで、「IPOに向けてVCや投資家が求める予実管理のあり方はこれだ」と示すことができる。VC視点で、汎用的な物差しの統一ができるのです。

サポートによって初期設定の時間が短くなればランニングコストも抑えられます。多くのスタートアップ企業の苦労を見てきただけに、今回の導入支援プログラムに意義を感じて賛同を決めました。


―今回の取り組みの具体的なサービスについて教えてください。

 ジャフコとtoBeマーケティング、アイテックスの3社で作成したパッケージを、ジャフコの投資先企業に導入していきます。

これまで半年以上かけて、経営管理上必要な数値項目等のスタートアップの経営陣が見たいダッシュボードを整理し、Salesforce導入後すぐに使えるパッケージを作り込んできました。その初期導入サポートを無料で行い、スムーズな自社運用が進むようにするのが、今回の支援内容です。

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仁井 すでにいくつかの企業でトライアルを行って気づいたのが、パッケージの提供だけではなかなか運用に乗らないということです。伴走しながら使い方をしっかりと教えてくれるプレイヤーが重要だと感じ、初期導入のサポートを手厚くしています。

具体的には、導入に向けて、エクセルで管理していたデータをSalesforceに移行しますが、その際データのクレンジングが必要です。クレンジングとは、会社名表記の統一(株式会社と(株)の統一)、社名の間に半角スペースが入っているか否か等の細かいデータ整理のこと。それが終わりSalesforceにデータを取り込めたら、オペレーション設計図に合わせてSalesforce内で営業ステータス管理ができるようにします。商談のアポ設定数等を細かく管理できるよう項目を設定したらプレ運用をスタート。運用上、改善点が出てきたら反映し、本格運用を開始していきます。

こうした、運用までの細々としたデータ整理や設定業務をサポートすることで、円滑な運用が実現できます。


渡邉 目的は、自社でしっかりとSalesforceを活用し、IPOに向けた数字管理が進むこと。現場が入力した数字と経営陣がほしい数字が一致するよう、初期導入のサポートは必須だと思っています。


―今後の展開、実現したいことについて教えてください。

 現時点では、シード・アーリー期の企業に使っていただくことを想定していますが、まだまだ型化できる部分は多いと思っています。今後は請求書ソフトとの連携、上場準備に対応した内部統制強化のパッケージ、内容をより進化させていきたい。スタートアップの起業家の皆様が、より事業に集中できるようサポートしていきたいと思っています。


渡邉 パッケージの型化のパターンはもっと増やしていきたいです。よりスムーズな導入支援からスタートし、外部アプリとの連携によるマルチクラウド化等にも発展できると良いですね。


仁井 IPO準備に向けてSalesforceができることはたくさんあります。DXが進む今、経営数値はエクセルのように加工できるものではなく、クラウド上で誰にも属人化せずに表現できるようになる必要があります。IPOしたときに、「今回のプログラムを導入しておいてよかった」と思ってもらえるよう、本格導入後もサービス改善を進めていきます。