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マネーフォワードとジャフコが業務提携 シード・アーリー期のスタートアップ向けバックオフィス支援プログラムを開始
マネーフォワードとジャフコが業務提携 シード・アーリー期のスタートアップ向けバックオフィス支援プログラムを開始

2020729日、ジャフコは創業期より支援を行っている株式会社マネーフォワード、ならびにマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社との業務提携条約を締結しました。ジャフコの投資先企業に対して「マネーフォワード クラウド」の導入サポート費用を無償とし、シード・アーリー期のスタートアップのバックオフィス支援体制サポートを進めていきます。

今回の業務提携に至った背景や課題意識、今後実現したいことについて、株式会社マネーフォワード 古府克章氏とジャフコ グループ株式会社 企業コンサルティング担当の瀬戸山広樹に話を聞きました。

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株式会社マネーフォワード 古府克章氏(左)とジャフコ グループ株式会社 企業コンサルティング担当 瀬戸山広樹(右)


バックオフィス業務の整備はIPOを目指すスタートアップの大きな課題

―ジャフコとマネーフォワードが業務提携を決めた背景を教えてください。

瀬戸山 スタートアップや中小企業にとって、事業づくりとバックオフィス業務の両立は難しい課題です。本来は、システム導入等で業務効率化を図れれば本業にパワーを割けるのですが、限られた人的リソースを喫緊の事業課題のために使わざるを得ない。バックオフィス業務の整備まで行き届かない現状があります。

バックオフィス体制、特に経理体制のサポートを何とか充実させられないかと考えたとき、法人向け会計システム開発で実績を上げてきたマネーフォワードとの業務提携は、非常に魅力的なアイデアでした。


古府
 私は、2020年7月にマネーフォワードからジャフコに出向してきたのですが、投資先企業を訪問し、経営層がバックオフィス業務に時間を取られて困っている実態を改めて知りました。実際に現場を見て、データ移行や使い方に慣れること等のサービス導入へのハードルの高さがバックオフィス業務効率化のネックになっている実情が見えてきました。今回の提携によって、スタートアップが一番必要としているところにサービスを届けることの意義を強く感じています。

2.jpg ―そもそも、シード・アーリー期のタイミングからバックオフィス構築は必要なのでしょうか。

瀬戸山 シード・アーリー期の段階で、必要以上に内部統制をガチガチに構築する必要はないと思っています。しかし、組織が大きくなっていってもバックオフィス体制、特に経理体制の構築が後手に回り、月次決算や本決算が遅延し、結果、経営の意思決定が遅くなるケースは多くあります。

本格的なIPO準備を始めるにあたって非常に重要なのが、業績の状況=自社の現状を適時に把握することです。特に、事業基盤が確立していないシード・アーリー期は、業績の振れ幅が大きく、また場合によっては、今までの事業をピポットせざる負えないこともあるため、タイムリーな業績管理は必要であると感じています。IPO準備へスムーズに移行できるよう、早いうちから最低限の体制を作っておくことが大切です。ジャフコの投資先企業の中にも、「もっと早く取り掛かるべきだった」という方は多くいらっしゃいます。


古府
 IPO直前になると、内部統制に対応するシステムが必要になります。バックオフィス業務に関するシステムが整っていない段階からいざIPO準備を進めると、抜本的な体制の見直し、システムの刷新や新規導入等が必要になります。結果として多くの時間やパワーが割かれてしまうのです。

シード・アーリー期は、システムにかけられるコストは限られているものの、IPOまで使えるシステムが望ましいです。使いやすく、わかりやすく、低コストで導入できるサービスが求められており、マネーフォワードのクラウドサービスは大いに貢献できると考えています。

支援企業に合わせて、適切なサポートを提供する

―今回の業務提携によって提供するサービス内容について、詳しく教えてください。

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瀬戸山 ジャフコは、これまでのスタートアップ支援において「マーケティング・セールス支援」「HR 支援」「バックオフィス構築支援」の支援を行い、ノウハウを蓄積してきました。バックオフィス構築支援においても、様々な支援を行ってきましたが、「ツールの選定・導入支援」に難しさを感じていました。目まぐるしいスピードでツールが登場し、機能が拡充されていく中、どのツールを使うのがベストなのか、常に最新の情報をキャッチアップすることができないためです。

今回、マネーフォワードにご協力頂き、ツールの導入支援サポートを投資先企業向けに無償提供いただく事で、各社に合わせたツールの選定や導入支援が可能になり「バックオフィス構築支援」の幅を大きく広げられるのではないかと思っています。


古府
 マネーフォワードとしても、単に導入支援のサポートをするというよりは、導入支援をベースに、ジャフコとマネーフォワードの両社で、様々なサポートをしていきたいと思っています。例えば、月次決算の締めに時間を要している事が課題の投資先企業に対しては、ジャフコとマネーフォワードの知見を出し合って、オペレーション改善、他ツールとの連携を提案し、月次決算の早期化をサポートするなど、将来を見据えた総合的なアドバイスをしていきたいと思っています。

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―今後実現したいこととは何ですか。

瀬戸山 IPOに向けた理想の組織は、創業初期から適切なシステム導入を進め、会社のステージに合わせたバックオフィス体制が整備され、全社員にその必要性が理解されていることです。ジャフコに蓄積されたバックオフィス支援のノウハウと、マネーフォワードのシステムを活用し、スタートアップ早期からスムーズな体制を整えていきたいです。


古府
 労働集約的なやり方ではなく、仕組みを作って課題解決に繋げていきたい。マネーフォワードとの強力な連携により、投資先企業が本来の事業拡大にフォーカスできる環境を作っていきたいと考えています。

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